2002年。それまでのStudioシリーズの設計を一新し、Gold C-CAMトィーターとC-CAM RSTウーハーを搭載した初代Gold Referenceが発表されました。全帯域同一素材を採用し、リアルウッド仕上げの美しいキャビネットを擁したこのシリーズは世界中で大ヒット。Monitor Audioの核となる技術を確立した記念すべきスピーカーでした。2006年のGold Signatureでは高域再生能力を43kHzまで拡大。2011年にはリボン・トランデューサーの採用と共にラウンドキャビネットやHiVeⅡポートなど多くの新技術を搭載したGold GXへバージョンアップ。GoldシリーズはMonitor Audioの象徴として常に最新技術を取り入れてきた旗艦シリーズでした。
現行シリーズが発表されたのは2015年。象徴としての役割をPlatinumに譲ったGoldシリーズは、新技術の搭載を高らかに宣言するのではなく、現在の技術をさらに深化させるという一見地味なスタイルをもって開発が進められました。マイナーチェンジと思われても仕方が無いほど目新しい技術は取り入れられてはいません。しかし一見しただけではわからない改良が細部にわたって徹底されたからこそ、新Goldは過去と比べても最も完成度を高めたシリーズと成り得たのです。
聴けばわかる。NEW Goldシリーズの神髄は新技術にではなく、その完成度にこそあるのです。
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わずか30μm厚のアルミ・マグネシウム合金にセラミック処理を施したC-CAM。3層構造でありながら驚異的な軽さと共振点を分散させながら高い強度を実現した革新的な素材です。そのC-CAM素材を用いたリボン・トランデューサーはGX時代と基本設計は変わっていませんが、パーツから徹底的な選別が行われ、組み上げ精度も格段に向上。さらに正確な動作の実現と左右ツィーターの精度差を極限まで減らす事が可能となり、サウンドの大幅なアップデートをもたらしました。人間の耳が最も敏感に聴くことができるミッドレンジの帯域から60kHzに至る超広帯域再生を可能とし、”音のみがそこに存在しユニットの存在は消える”とまで評されたMonitor Audio自慢のユニットがさらに磨き上げられました。 |
2002年から続くRST(Rigid Surface Technology)技術を徹底的に見直し、ディンプルが連続した放射形状を描く新しいデザインに改良。表面に数多く設けられた窪みは高剛性の実現と共に、口径を変えず表面積増加にも貢献しています。開発においては今まで以上にFEA(有限要素解析)を綿密に行い、動作中C-CAM素材に加わる力の伝わり方まで含めて測定。ディンプル部以外にもC-CAM素材の厚みを微妙に変化させています。この手法を用いたユニットは、軽量である利点を残しながら大幅に動作中の強度を高める事が可能な画期的なもので、正確無比な動作を実現しますが、手間とコストが大幅にあがるため、Goldシリーズだけに特別に使用が許されているのです。 |
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Bolt-Through Driver Design
ユニットは従来同様キャビネットの後方よりテンションロッド1本で固定。ドライバーに均等のクランプ力が掛かることで正確な動作が可能となるだけでなく、従来はフロント面にマグネットを含むドライバーの全重量がかっていた問題を解決。不要なテンションがキャビネットに及ばないため、長期間安定したドライバー性能を発揮します。20mm厚の高品位なMDFを用いたキャビネットは自然なカーブを描いており、内部容量を減らす事なく強度を高める独自のブレーシング構造を採用。振動を効果的に減衰させ、ボルトスルー・テクノロジーと共にノンカラーレーションの実現に大きく寄与しています。フロント部にボルトが無い美しいスピーカー・デザインも魅力です。
HiVeⅡ Bass Reflex Port
過渡応答特性を改良し、締まりのある低音を実現するHiVeポート技術が2世代目に進化。ピストルの砲身内を銃弾が通る際の動きと同じ効果を狙って設計されたオリジナル・バスレフ構造です。ポート内に刻まれた溝が放射される空気の乱流を減少させ、効果的に気流を加速。ポートノイズの減少と共に、低域の高速なレスポンスに貢献します。 |
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ネットワーク回路には最高グレードのポリプロピレン・フィルムコンデンサー、ラミネートされた空芯コイルなど厳選されたパーツを採用。アルミダイキャスト製プレートには高品位なバイワイヤ対応スピーカーターミナルが装着され、専用スペードタイプ・リンクケーブルが付属します。内部配線にはMonitor Audio オリジナルケーブルであるPureflow Silverケーブルが採用されています。 |
Finish
※WHITE GLOSS(WG) – 受注オーダー