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アンドレアス・コッチ来訪記

和田博巳(オーディオ評論家)

 

アメリカのハイエンドオーディオメーカー Playback Designs(プレイバック・デザインズ)の主宰者兼デザイナー、Andreas Koch(アンドレアス・コッチ)氏が、「ステレオ・サウンド・グランプリ2009」の受賞式で来日した際に我が家を訪ねてくれた。

 

アンドレアスさんはたいそう優しく、そしてまことに誠実な人柄で、技術者にはひじょうに珍しいタイプ。 丁寧に言葉を選び、解りやすい英語で親切に当方の質問に答えてくれた。

とはいえアンドレアスさん及びプレイバック・デザインズについてはこちらにもいささかの予備知識があり、インタビューという感じでは全く無かったのだが。

 

実は私がSACDプレーヤーMPS-5の熱烈な愛用者ということで、当初はオーディオ誌用のインタビューをという話があったのだが、当方堅苦しい話は苦手とするところで、しかもインタビューは概ね技術的な話が中心となる。

それはそれでけっこうなのだが、しかしどんなに技術やスペックが優れているからといって、そこ(対談原稿)から音が聴こえてくるわけではない。

そんなこともあってインタビューは辞退させていただいたのだが、それでもアンドレアスさんが我がリスニングルームを訪ねてくれたことは、驚きと同時に心から嬉しく思った。

 

初対面ということもあり最初はお互いやや緊張気味。そう、天才肌のアンドレアスさんだが、技術者によく見られる自信過剰気味なところや、自説を振りかざす様子は皆無で、その輝かしいキャリアが嘘のように全くもって謙虚な方。

お話を伺ったというよりは、2人で2時間以上にわたっていろんな音楽を次から次へと楽しく聴き続けたというひと時だった。

 

実はアンドレアスさんとは初対面だったが、しかし氏が手がけた優れた録音機器との付き合いが過去にあったことを、話の中で知ることができた。

 

私は1980年代半ばから音楽プロデューサーとして主にスタジオを中心に仕事をしてきた。

アンドレアスさんもちょうどその頃(1987年)に、ドルビー研究所から氏がキャリアをスタートさせたスイスのスチューダー・ルボックス社に戻っている。

1982年にCDが発売された5年後ということで、デジタルの録音技術が飛躍的に進歩、熟成されつつあった頃だ。

 

スイス生まれスイス育ちのアンドレアスさんが自国に戻ってまず手がけたのが、48チャンネルのデジタル・マルチチャンネル・レコーダーの設計だったそう。これはソニーが開発した(最初は24チャンネルの)固定ヘッド式デジタル・レコーダーで、磁気テープを使うものだったが、ぼくは仕事でこの48チャンネル・デジタル・レコーダー(3348と呼ばれていた)を当時よく使っていた。

 

そして以前の24チャンネル(3324)モデルに比べて、3348は飛躍的に音質が向上していて驚いた、という経験があった。もちろんそれがアンドレアスさんの手になるものだったことは、今回お会いして初めて知ったのだが。

 

やがてアンドレアスさんは、ソニー・フロリダに移り、プロ用のミキシング・コンソールを開発したそうで、これは初耳だった。その後ソニー・サンフランシスコに移って、世界初のDSD録音編集機SONOMAの開発を手がけることになるが、このあたりまでくるとご存知の方も多いでしょう。ぼくたちがDSD技術の成果であるSACDという素晴らしいメディアの恩恵を享受できているのは、言ってみれば、アンドレアスさんの研究開発の成果なのである。

 

従ってSACDをこよなく愛するぼくが、アンドレアスさんが設計したSACDプレーヤー MPS-5を購入したのは必然でもあった。 周辺ではにわかにファイル・オーディオの機運も盛り上がりつつあった時期だが、ぼくは「人生最後のSACDプレーヤー」との思いでMPS-5の購入に踏み切ったのだった。

そして大いに満足している。

MPS-5は本当に一生モノと言いたい極めて優れたSACDプレーヤーで、本当に買ってよかった。 しかもたいそう扱いやすい、いや使うのが楽しいユーザーフレンドリーな製品だ。 ナスペックのHP(ホームページ)にはアンドレアスさんの言葉として「オーディオファイルだけでなく音楽愛好家にも楽しんで頂けるように意識して製品化しました」とあるが、それが全く嘘でないことは使えば使うほどによく分かる。 だからPlayback Designs(プレイバック・デザインズ)初のSACDプレーヤーが、ステレオサウンドのグランプリを受賞したのは全くもって当然のように思える。

 

SACDプレーヤー MPS-5は、そのDAC部が一般的なPLL回路を使わず、アンドレアスさん開発による独自のアルゴリズムで信号処理するディスクリート構成のデジタル回路を搭載している。 さらにオリジナルのPDFAS回路によりジッターの無いデジタル信号の生成を可能にしているのだが、それらについては改めて質問することは無かった。

一応Playback Designs(プレイバック・デザインズ)の技術革新については、こちらも一通り学習済みで、じゃあ二人で何をしていたかというと、先にも書いたとおり、一緒にいろんな音楽をひたすら聴いていたのである。

 

その中にはUSBメモリーで発売されたビートルズ・ボックス(44・1kHz/24ビット)をネットワーク接続し、MPS-5のデジタル入力(DAC部)で聴く、というものもあった。

再生したのは『アビー・ロード』だったが、この音の素晴らしさはちょっとした驚きで、普通のビートルズ・リマスター盤もMPS-5で聴くと信じられないようないい音なのだが、24ビット版のUSBメモリー再生はまことに結構なものだった。

アンドレアスさんも「ウン、ウン」と納得の表情だったが、豊富なデジタル入力を備え(しかもシングル接続で192kHz/24bits まで対応)、さらにUSB入力(48kHzまで対応)と、ネットワークオーディオにも万全の設計は、本当に使う側のことをよく考えていると思う。

 

それはアンドレアスさんにお会いして「なるほど、この人の作る製品だからそれも当然か」と分かるのである。第2作目に当たるDAコンバーターのMPD-5も好評だが、今後さらにどんな製品が登場してくるのか、ひじょうに楽しみだ。

アンドレアスさんは我が家の音を(多分)お世辞抜きで「いい音だ」と何度も言ってくれたが、「いやいや、MPS-5がいいからですよと」と、最後は緊張もすっかり解けることとなった。

 

優しさと誠実さが天才的頭脳と出会うとどんな素敵な製品が生まれるのか、それがとてもよく分かった、アンドレアスさんの実に嬉しい我がリスニングルーム訪問だった。

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