オリジナルアルゴリズムを搭載したFPGA採用のディスクリート構成のデジタル回路
Playback Designs MPS-5 MPD-5に組まれたデジタル回路は、既存のDAC用 ICを使用していません。
FPGA(Field Programable Gate Array)に、Andreas Kochが考案したオリジナルアルゴリズムを使用してD/A変換を行っている、ディスクリート構成のデジタル回路となっています。
Playback Designsオリジナル PDFAS回路
通常DAコンバーターは、入力されたデジタル信号をPLL回路によって基準クロックと同期を取り、デジタル信号を補正しているのですが、回路の中のループフィルターがジッターを取る事に大きな障害となっています。
ここでの入力回路でジッターが取り切れないと、その後の回路もずっとジッターを含んだデジタル信号になります。
一方、Playback Designs社はPDFAS(Playback Designs Frequency Arrival System)という、PLL回路を使用せず、Andreas Kochが開発したアルゴリズムでデジタル信号処理することによりジッターの無いデジタル信号を取り出すことに成功しました。
PLL回路を使用しない為、精度の高いクロックは必要としません。
このPDFAS回路を、MPS-5内蔵のCD/SACDメカニズムで読み取ったデジタル信号だけでなく外部からのデジタル入力(DACとして使用時の外部入力)も通過するので、どんなにジッターが多いデジタル信号が入力されても、この回路を通る事によって完璧なまでにジッターを取り去ったデジタル信号に変わるのです。
Sonoma System
Andreas Koch 氏がメインエンジニアとして設計に携わったSonoma システムは、DSD (ダイレクトストリームデジタル) 方式で録音・編集できるマルチチャンネルレコーダーです。
最大32 チャンネルを完全にDSD ドメインで録音し、他のフォーマットに変換することなくそのまま再現します。
そのDSDのプロフェッショナルであるアンドレアス・コッチは、Playback DesignsはSACDの信号もCDの信号もDSD変換してDAをかける回路を設計しています。
Andreas Koch 氏
Playback Designs(プレイバック・デザインズ)社はAndreas Koch(アンドレアス・コッチ)氏により2007年に設立されたアメリカの新進ブランドです。 2008年10月のアメリカ・デンバーで開催されたオーディオショウで、Playback Designs初となるCD/SACDプレーヤーのMPS-5を公開しました。
Andreas Koch氏はスイスのStuderに在籍した後、唯一のDSDマルチレコーディング機のSonoma (ソノマ)の設計に携わり、某ハイエンドメーカーに在籍して一体型CD/SACDプレーヤーを設計したデジタルのエキスパートです。
Andreas Koch氏の世界最高峰の知識と技術を持って製作するPlayback Designの製品は、目の離せない未来を描いていきます。
Andreas Koch (アンドレアス コッチ)氏
2012年6月27-29日にAndreas Koch氏は日本に訪れました。
その時の日本市場の印象を以下の様に語ってくれました。
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I am pleasantly surprised that the interest in DSD file playback from computer is so great in Japan.
日本での、コンピューターからのDSD音源再生の関心度の高さには本当に驚かされました。
It seems much more advanced than in North America and I assume that this is because Japan’s largest audiophile magazines have created dedicated publications for computer audio with very practical hints on setup of hardware and software.
コンピューターオーディオは日本の方がアメリカより先んじていると言えます。
これは日本の主要オーディオ専門雑誌社がコンピューターオーディオに特化した雑誌を出版しており、ハードウェアとソフトウェアのセットアップの実質的に非常に大きな助けとなっているからと感じました。
(アメリカやヨーロッパには現在コンピューターオーディオに特化した雑誌が無く、Andreas Koch氏は日本のコンピューターオーディオ雑誌の存在に大きく感銘を受けていました。
「アメリカにもインターネットのみでコンピューターオーディオを取り上げるのWebサイトはあるが、やはり誌面での解説を読むのが現状のオーディオファイルの世代の為、雑誌誌面でのコンピューターオーディオの紹介か現状欠かせない」、と言った意見がAndreas氏からありました。)
Japanese consumers also appear to understand the various different formats for high resolution audio and have already created a demand for DSD file download in Japan, more than in any other country.
日本のカスタマーはハイレゾ音源の様々なフォーマットを理解しており、他のどの国よりも積極的に、DSD音源の供給を作り出しています。
This impression was further reinforced by the reviewers who almost exclusively concentrated their questions on DSD and DoP.
雑誌により日本のコンピューターオーディオが先んじているという印象は、インタビュー時にDSDやDoPについてより深く掘り下げるオーディオ評論家達の質問によって確信的なものとなりました。
What also impressed me is that customers in the Tokyo area have access to some of the largest equipment dealers that have set up shops with multiple demo rooms and competent staff.
東京エリアの販売店をいくつか訪問して感銘を受けた事は、東京エリアのユーザーは、複数のデモルームと有能なスタッフと販売店がセットアップしたショップにアクセスが可能であると言う事です
Customers can easily take advantage of those dealers’ expertise and make more educated buying decisions when evaluating equipment.
そしてまた、カスタマーは販売店の専門知識を得る事が可能で、機器を販売・選択する時にはより深い知識で決定する事が出来ると思いました。
It is my impression that this and the above mentioned printed publications probably contribute to a higher education of Japanese audiophile customers in comparison to other markets.
世界中のどの市場と比較しても、日本のオーディオファンは日本の雑誌により、多くの優れた知識を得ていると言うのが私の印象です。
Andreas
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Interview
・Playback Designsの創始者コッチ氏に訊く、同社設立の経緯と「IPS-3」の革新性
(Phile-web) 記事はこちら
Playback Designs (プレイバック・デザインズ) 本国ホームページ