About Linear Tracking Tonearms

アナログ・レコード音楽再生の芸術において、究極と称されるトーンアーム、それが「リニアトラッキングトーンアーム」です。このアームは、レコード制作時のカッティングプロセスを再現する設計思想に基づいて開発されました。
レコードの音溝は、カッティングマシン「Lathe(レイズ)」によって外周から中心へと直線的に音楽信号を刻み込むことで作られます。その結果、音溝には音楽が生み出す空気の振動波形が刻まれ、再生時にはその波形をいかに正確にトレースできるかが、アナログ再生の音質を左右する重要な要素となります。リニアトラッキングトーンアームは、この理想を追求するために設計され、レコード制作時と同じ直線軌道で針が音溝をトレースすることを可能にしました。
一方で、従来主流の「ラジアル(スイングアーム方式)トーンアーム」では、針先が弧を描きながら音溝を追うため、トラッキング角に誤差が生じます。この角度のズレが再生音に歪みをもたらす原因となり、さらにインサイドフォースと呼ばれる力が発生して正確なトラッキングを妨げることがあります。
リニアトラッキングトーンアームは、トーンアームが外周から内周へ直線的に移動し、音溝に対する針先の角度を常に正確に保つことで、これらの問題を完全に排除。トラッキングエラーやインサイドフォースが一切発生しない理想的な再生環境を実現します。この仕組みにより、レコードの持つ豊かな情報量を余すことなく引き出し、アナログならではの純粋な音楽体験を提供します。
clearaudioのリニアトラッキングトーンアームは、アナログ再生の限界を超え、音楽が持つ本来の魅力を忠実に伝えるために設計された、まさにアナログ再生の理想を体現する一台です。